TRACK RECORD
息子さんがお父さんを介護しながら、かつ趣味の「釣り」を楽しむことのできる家です。お父さんが出来るだけ自立活動可能となるように、専用トイレ・フラットな床・広めの廊下・大きめの扉、そして全ての部屋に床暖房を具備。
2階は息子さんのためのスペースで、介護のための体力づくりや釣竿を広げられるなどの多目的スペースを確保しました。
「木の香がする!」
「ベランダに出てもいい?わぁ、海がみえるじゃない!」
「わたしも、建替えるときは絶対バリアフリーにするわ。」といった声々も、次第に落ち着いてきた。
築後、もう半年が過ぎている。
アトリエ ジニアスの山本さんが、家の点検のために先日足を運んでくださった。
さっそくおっしゃるには、エントランスの柱や引き戸のレールに錆が出ているので、手を打ちますとのこと。そして、ドアや建具、設備などについて事細かに聞き取りをされ、これもまた手を打ってくださるとのことである。
私は、日々の生活にかまけて、家に対する目配りが十分であるとはいえないので、このような点検の機会が設けられていることはとてもありがたい。
父の介護が必要となったため、急遽、家を建て替えることになった。
父は、一階の寝室のすぐ脇につくられたトイレのおかげで、他人の手をわずらわせることなく用が足せているし、室内外の手すりや段差のないフロアーのおかげで歩行がスムーズである。床暖房は、寒がりの父にとってこれからの季節に重宝するものと思う。
二人だけの生活なので、キッチンを中心とした間取りを考えていただいた。狭いスペースを広く感じられるように工夫がなされていることもあって、たいへん居心地がよい。
二階は、私の遊び心を優先させて多目的室をつくった。
高窓があり、梁が露出しているので、山小屋のようだねと言った人がいた。雰囲気が親しみやすく、私は気に入っている。外の天候が直に反映されるので、四季折々の光を楽しむことができる。
山本さんは、間取りや設備だけでなく、家の外観も重要である。地域環境との調和をはかりながらも、個性的、印象的な家づくりをめざすとおっしゃる。
きっと、住い手である私の風体も考慮の上で創出された形なのであろう。豪華さはないものの、隅々まで意匠の行き届いた家が出現している。もちろん私はたいへん気に入っている。